星Aは星Bへ速く落下する時 - Book2

_著者の言葉 _

人物に名前をつけてあげるのは嫌い。この旅は名前が必要ない。この旅は三日間進めて三日間留めている。地図の上に、到着できれば、行く。道に迷っても、大丈夫。鈍く歩いても速く歩いても、どの道を選んでも、最後の終点も変わらない。一人の旅じゃない。側にいてあげる人がいる。旅行中、ゆるく何かしよう。ちょっと話したり、景色を見たりする。寝たりする。それとも、忙しくて、ちょっと楽しいことをする。懐かしいところがあるなら、あのところに戻ってみよう。見るだけ、ぶらぶらするだけでもいい。あそこの空気を探求して楽しんでいる。あなたの真摯を覚えている人がいる。君は離れたら、誰かが想像したことがない見地でこの世界を形作る。あなたはきっと愛着がある。けど、あなたは前へ歩き続けた。

この旅のためにいくつの奇妙なシーンを作る。海の底に。高さが未知の空中の屋上に。神秘的な水道に。大きな蜘蛛と蜉蝣の行列の中に。日常の町に、世界の終わりのような異常現象は訪れている。凄くこそこそとしてこの不思議な物語を書いている、なぜなら、途中の経験は一度も物語のポイントじゃないため。気になっているのは、この旅をどう考えているのか。あなたはそぞろ歩きをしている。跳んでいる。考えている。あなたの自由な姿。あなたの独特の個性と気立て。どんな姿を選んで時空の次元を越えるだろう。気になっているのは、書かないことにしたものが読めるのかな。

この旅は、一つの星がもうすぐ他の星にぶつかって滅んでいる際から始める。道端にいる一台の廃棄した小型のバスから始める。彼女は昔、船だった。彼女は避難の山穴にいて、寂しく雨を聴いていたことがある。臨時の小学校とされたことがあり、子供達はそこに哲学と歴史を読んでいた。この旅は一つの小さな町にある椅子の商店まで終わる。六月。旅行の思い出と疲れは、静かに空中に沈んで消え去る。芒の道に凧があり、子供がある。店は点灯したばかり。夕方の空は雨が降り始める。