本書主要以宗教哲學的觀點,來探討京都學派哲學家田邊元的中、後期思想。作者以異於舊有的觀點,來研究田邊宗教哲學的發展,並試圖突顯出異於西方宗教哲學類型的近代日本宗教哲學。本書在探討被稱為田邊哲學的「種的邏輯」體系中的哲學與宗教,即合理性與非合理性的對立統一結構(絕對媒介的辯證法結構)後,檢視「種的邏輯」的崩壞過程,接著究明戰後被重新建構的、從懺悔道哲學、基督教的辯證到「死的哲學」這一代表後期田邊哲學面貌的宗教哲學構造,並對該哲學在現實世界的實踐可能性提出質疑。在此論證過程中,作者闡明了日本中世宗教家道元與親鸞的宗教思想,經由田邊的現代哲學解釋,具有絕對媒介辯證法的結構,形成近代日本的宗教哲學面貌。作者最後以台灣這一異文化觀點,論究了台灣日治時期哲學家洪耀勳有關「實存」概念的哲學思考,並從跨文化的視野和田邊哲學進行了比較。
本書は京都学派の哲学者・田辺元の中、後期思想を、宗教哲学の観点から探究したものである。作者は、従来とは異なる視点で、田辺の宗教哲学の展開を論究し、西洋における宗教哲学の類型に異色を示す近代日本の宗教哲学を浮き彫りにしようとした。本書は、田辺哲学と称される「種の論理」体系にある哲学と宗教との、すなわち合理的なものと非合理的なものとの対立的統一の構造を示す絶対媒介の弁証法を検証し、その論理的な破綻の過程を追いつつ、戦後新たに構築された懺悔道哲学から、キリスト教の弁証へ、そして「死の哲学」に至るまでの、後期田辺哲学の真骨頂を表す宗教哲学の構造を究明し、その現実世界における実践可能性を問うた。その中で、中世日本の宗教家・道元と親鸞の宗教思想を近代哲学の立場から解釈し、絶対媒介の弁証法を内実とする近代日本の宗教哲学の構築に成功した田辺哲学の真髄を解明した。最後に台湾という異文化の観点から、台湾植民地時代の哲学者・洪耀勲の「実存」概念をめぐる哲学的思索を論究しつつ、間文化的視点から田辺哲学との比較を試みた。